Googleは2024年7月22日(現地時間)、ウェブブラウザ「Chrome」からサードパーティーCookieを廃止する計画を撤回すると発表しました。
Googleが、ウェブブラウザ「Chrome」からサードパーティCookieを廃止する計画を撤回し、方針転換すると発表しました。サードパーティCookieの廃止は、4年以上にわたって進められてきた計画で、今回の決定は大きな転換点となります。
Googleは2020年1月、プライバシー保護強化の一環として、2022年までにChromeからサードパーティーCookieを段階的に廃止する方針を発表。しかし、この計画は度重なる延期を経て、最終的に2025年初頭まで延期されていました。
- 2020年1月: Googleが2022年までにChromeからサードパーティーCookieを段階的に廃止する方針を発表。
- 2021年6月: 計画を2023年後半に延期。
- 2023年7月: さらに2024年後半に延期。
- 2024年1月: 2025年初頭までの延期を発表。
- 2024年7月: 廃止計画の撤回を公式に発表。
サードパーティーCookieは、ユーザーの閲覧履歴を追跡し、広告ターゲティングなどに利用される技術です。
今回、サードパーティCookieを廃止する計画を撤回することになった理由について、Googleは以下の点を理由に挙げています。
- 広告業界からの懸念: サードパーティーCookieの廃止により、ユーザーの関心や属性に合った広告配信のための情報収集が制限される懸念。
- 規制当局の調査: 英国の競争・市場庁(CMA)が、デジタル広告の競争を阻害する可能性があるとして、Googleのクッキー廃止計画を調査していました。
- 技術的課題: 代替技術の開発と導入には、多くの関係者による多大な作業が必要であり、パブリッシャーや広告主などへの影響も大きい。
Googleは、サードパーティーCookieを完全に廃止する代わりに、Chromeに新しい機能を導入し、ユーザーがウェブ閲覧全体に適用される情報に基づいた選択を行い、いつでもその選択を変更できるようにするとのこと。
この新しい機能については規制当局と協議中で、展開する際には業界とも連携するとしています。
また、サードパーティーCookieに代わる技術として開発されてきた「プライバシーサンドボックス」のAPIは引き続き利用可能とし、改良を重ねていく方針です。