Ankerは7月5日、USB急速充電器「Anker 736 Charger (Nano II 100W) 」が危険な商品であるというブログ記事の指摘を受け、「PCへの充電など通常のご使用においては本事象の再現性はなく、安全にお使いいただけます」と案内しています。
「仕様以上の電流を強制的に要求することで、本製品から5Aの電流を引くことは理論上可能」
Ankerは7月5日、USB急速充電器「Anker 736 Charger (Nano II 100W) 」が電子負荷装置を用いて3Aケーブルを使用して充電した場合、通常なら60W出力に制限されるところ、100W出力されたと検証したブログ記事を受け、「本製品は法的に求められているPSE認証を取得しており、またUSB-IFが定めたUSB Power Delivery (以下 USB PD) への互換性があり、PCへの充電など通常のご使用においては本事象の再現性はなく、安全にお使いいただけます」と案内しています。
本製品はUSB-IF、PSEといったUSB急速充電器の開発・販売に係る法的要件を満たしております。通常の使用においては安全にご使用いただけますが、ご購入いただいたお客様でご懸念がある方は、弊社カスタマーサポートにて返金対応致します。詳細は下記ページをご覧ください。https://t.co/9t7lskmkFq
— Anker Japan (@Anker_JP) July 5, 2022
この問題を指摘したブログ記事「【危険製品】Anker 736 Charger (Nano II 100W) をチェック どうしよう出来が悪すぎる」(魚拓)を、ITmediaなどで記事を書くライターの山口真弘氏が「やばすぎわろた」とTwitterに投稿したことで注目されていました。
「実際に出力を開始すると3Aケーブルでも20V/5A(100W)を供給してしまう」やばすぎわろた/【危険製品】Anker 736 Charger (Nano II 100W) をチェック どうしよう出来が悪すぎる | https://t.co/G5NpzuxwA4 https://t.co/2tbUjoHCi6
— 山口真弘 (@kizuki_jpn) July 4, 2022
Ankerは、「電子負荷装置を用いた特殊な環境下で、シンク側 (電子負荷装置) がその電流の範囲を無視し、仕様以上の電流を強制的に要求することで、ソース側である本製品から5Aの電流を引くことは理論上可能」とし、今後は特殊な環境でも同様の事象が発生しないよう、「本日以降に製造する本製品について、さらに安全にお使いいただけるよう、接続しているケーブルがeMarker非対応の場合も、ソース側でも制御する仕様にアップデートをしております」と説明。
通常使用の範囲では過電流になることはないとしつつも、使用に懸念がある場合は、製品購入後30日以降でも返金対応をすると案内しています。
Ankerのリリース全文
「Anker 736 Charger (Nano II 100W) 」に関するお知らせ
2022年6月23日 (木) より販売を開始したUSB急速充電器「Anker 736 Charger (Nano II 100W) 」 (製品型番:A2145 / 以下 本製品) につきまして、一般のブログで電子負荷装置を用いて3Aケーブルを使用して充電した場合、通常なら60W出力に制限されるところ、100W出力を検知した事象の指摘がございました。
本製品は法的に求められているPSE認証を取得しており、またUSB-IFが定めたUSB Power Delivery (以下 USB PD) への互換性があり、PCへの充電など通常のご使用においては本事象の再現性はなく、安全にお使いいただけます。
なお、PCの充電など通常の使用環境下では、3Aを超える電流をシンク側 (PC 等デバイス側) が要求する場合、ソース側 (充電器側) が接続したケーブルのeMarkerの有無を確認し、シンク側に供給可能な電流の範囲を送信します。シンク側はその範囲で最適な負荷電流を決定します。しかし、電子負荷装置を用いた特殊な環境下で、シンク側 (電子負荷装置) がその電流の範囲を無視し、仕様以上の電流を強制的に要求することで、ソース側である本製品から5Aの電流を引くことは理論上可能です。
以上を踏まえ、一般的にお客様がPC等のデバイスを本製品で充電される際に過電流になるリスクはなく、本製品は法的に定められている過電流保護機能を備えており、安全にご使用いただけます。また、現時点でお客様から事故報告は一件もいただいてはおらず、法的にも求められておりませんが、上記のような特殊環境において本事象の再現が可能であることを鑑み、本日以降に製造する本製品について、さらに安全にお使いいただけるよう、接続しているケーブルがeMarker非対応の場合も、ソース側でも制御する仕様にアップデートをしております。
繰り返しになりますが、本製品をご使用のお客様におかれましては、PC等の充電等一般的な使用の範囲においては、同様の事象は発生しませんのでご安心ください。もし本日までにご購入いただき使用にご懸念がある場合は、製品購入後30日以降でも返金対応を致しますので下記弊社カスタマーサポートまでご連絡ください。
本製品をご購入されたお客様ならびに日頃よりAnkerグループを応援してくださっている皆様には、ご心配をおかけ致しますことをお詫び申し上げますと共に、本事象につきましてご理解を賜れますようお願い致します。