Disney+で子どもに「ピーター・パン」の映画を見せてあげようと思ったら、なぜか検索しても出てこない。調べてみたらDisney+では人種や文化に否定的な表現がある作品は、キッズプロフィール設定されているアカウントでは表示されないようになっていました。
「おしゃれキャット」「ダンボ」「ピーター・パン」「スイスファミリーロビンソン」が規制対象
娘が保育園で「ピーター・パン」の劇をやるということで、それならとDisney+で「ピーター・パン」を見せてあげようと思ったら検索してもヒットしない。娘のアカウント(キッズプロフィール)だからかな?と自分のアカウントで検索したらちゃんと出てくる。
なぜ「ピーター・パン」は子どもは視聴できないようにしているのだろう?と思いながらも再生してみると、以下のような免責事項が表示されました。
「人々や文化に対する、否定的な表現や横暴な振る舞いを描写したシーンが含まれている」という理由だそう。「ディズニーでは当該箇所を削除するのではなく、偏見が社会へ与える影響を認識し、そこから学び、議論を促すことで、多様性あふれる社会の実現につなげていきたいと考えています」と説明されています。
ご丁寧に「さらに詳しく知りたい方は www.Disney.com/StoriesMatterをご覧ください」と案内されているので見てみると、ダイバーシティとインクルージョンへの継続的な取り組みの一貫しとしてライブラリを見直し、人々や文化に対する否定的な描写や虐待を含むコンテンツに警告を追加していると説明されています。
こういった警告がコンテンツ視聴前に表示されるようになったのは2020年10月頃からだそう。Disney+ Advisory - Stories Matterではキッズプロフィールで規制される作品例として「おしゃれキャット」「ダンボ」「ピーター・パン」「スイスファミリーロビンソン」の4つを挙げ、警告を表示する理由を説明しています。
おしゃれキャット
- 東アジアの人々を、人種差別的な表現(ツリ目や出っ歯など誇張されたステレオタイプの特徴)で描いている。
- 白人俳優の英語のアクセントが下手など、「永住外国人」という固定観念を強調している。
- 中国の言語や文化を嘲笑する歌詞が登場する。
ダンボ
- 劇中のカラスのミュージカルで、白人の演者が、南部の農園で奴隷となっていたアフリカ人を模倣し嘲笑している。
- ダンボのリーダーは「ジム・クロウ」で、アフリカ系アメリカ人を差別する法律と同じ名前。
- 楽曲「Roustabouts」で、顔の見えない黒人労働者が「給料がいつ出るかはわからないが、出たら全部使う」といった不快な歌詞を歌いながら労働に励んでいる。
ピーター・パン
- 先住民(ネイティブ・アメリカン)の多様性や文化的伝統を反映せず、ステレオタイプに描いている。
- 先住民を「レッドスキン」という差別的な表現をしている。
- ピーター・パンとロスト・ボーイズが、先住民の文化やイメージを嘲笑している。
スイスファミリーロビンソン
- 海賊をステレオタイプな外国の脅威として描いている。
- ヘアスタイルや服装で野蛮さと異質さを過剰に表現し、アジアや中東の人々を人種差別的に表現している。
また公式サイトには記載されていませんが「アラジン」も規制対象です。
近年のディズニー作品はいわゆる「プリンセス像」みたいなものは少なくなり、行動力や知性を備えた自立した女性を描くようになっています。「モアナと伝説の海」や「アナと雪の女王」、現在上映中の「ミラベルと魔法だらけの家」といった作品もですが、子ども向けに展開されていた「ちいさなプリンセス ソフィア」は秀逸。
「さすがディズニーだな」といろいろ考えさせられたという話でした。
「ミラベルと魔法だらけの家」をDisney+で観たんですけど、最近のDisney作品という感じでとても良かった。別件で「ピーターパン」や「ダンボ」はキッズモードでは規制対象になっていることを知り、なるほどと考えさせられる。
— 野村純平 (@JUNP_N) January 6, 2022