Appleが新発売した紛失防止トラッカー「AirTag」ですが、子どものカバンなどに付けることで「見守り」に使えるのか。Appleとしては「推奨しない」と明言していますが、実際にどうなのか試してみました。
AirTag、子どもの見守りには「使える」が注意点も
Appleから新発売された紛失防止トラッカー「AirTag」。財布に忍ばせたり、ケースに装着して鍵やカバンに付けることで持ち物を簡単に見つけることができるという製品です。
もしかして持ち物だけでなく、子どものカバンやペットにつけておけば「見守り」に活用できるのでは?と考えた人も多いでしょう。
この手の製品で問題になるポイントの1つが「プライバシー」。ストーカーなどに悪用されないよう、Appleは対策をしていると発表しています。
AirTagは、不要な追跡に使われないように設計されています。誰かのAirTagがあなたの持ち物に紛れ込んでも、あなたのiPhoneがそれを検知してアラートを表示。見つけられない場合でも、AirTagが音を鳴らし始めるので安心です。
AirTagを付けている友だちがそばにいても、電車の中でAirTagを持っている人たちに囲まれても、心配ありません。このアラートは、AirTagが持ち主から離れた時だけ有効になるからです。
Appleは「自分のものではないAirTagが持ち物に紛れ込んでいたら、iPhoneが察知しAirTagが音を鳴らす」「音を鳴らすのは持ち主から離れた時だけ」と説明しています。
ですがユーザーの手元から離れるたびに音が鳴っては使いものになりません。ですので、AirTagから音が鳴るのは「持ち主から離れて3日間離れた場合」という条件があります。
関連:「AirTag」所有者から離れても3日間は音が鳴らないつまり「AirTag」は一緒に生活している子どもであれば、荷物につけて「見守り」として活用することは可能です。
実際に「見守り」に使えるか、外出する妻(iPhoneユーザー)と娘にAirTagを持たせ、自宅から「探す」アプリで確認するとどうなるのか試してみました。
iPhoneユーザーの妻が常に近くにいるため、ほぼリアルタイムでAirTagがどこにあるのか確認することができました。
帰宅した妻に確認しましたが、外出中にAirTagが鳴ることもなく、iPhoneに「探す」アプリからの通知もきていません。結果として「見守り」程度であれば問題なく使えるようです。
しかし、高速道路(トンネル)や地下など電波状況が悪い場所では、周囲のiPhoneがAirTagを検知したとしても「探す」ネットワークに情報を送信できないため、正確な位置を送ることができないので、自ら位置情報をサーバーに送信するような見守りデバイスとは勝手が違うので注意が必要です。
安くて手軽に「見守り」できるのでAirTagは優秀なのでは……
子ども用GPSサービスは多く存在していますが、初期費用が1万円以上かかったり、月額料金が500円程度かかったりと、基本的にランニングコストがかかります。コストがかかる分、行動ログを保存したり、音声呼びかけができたり、見守り以上の付加機能がついているサービスが多いです。
しかしAirTagは3,800円で購入すればランニングコストは不要。電池も1年持ちますし、ボタン電池なので簡単に交換することができます。
Appleとしては「AirTagは人やペットを追跡するためでなく、アイテムを探す製品」と説明しています。また子どもの見守りをしたいのであれば、Apple Watchを着けさせファミリー共有するように推奨していましたが、AirTagのほうが安くて手軽。
Appleが推奨する使い方ではありませんが、子どもの見守りに「AirTag」は意外とアリですね。