SNSの何気ない投稿から、自宅が特定され空き巣などの被害にあったり、ストーカーなど悪意のある人に個人情報がバレてしまったりする問題は以前よりも格段に増えています。SNSと安全に付き合うために何を気をつければいいのか、簡単なポイントをおさらいしておきます。
SNS投稿に潜むリスク、何気ない投稿でストーキングされる可能性も
2020年11月はじめ、Twitterで「家の前」に「クワガタ」が置かれていたと投稿したことで自宅を特定され、時価総額1億円以上(被害者談)の空き巣被害にあうという事案が発生し話題になっていました。
遊戯王カードコレクターの自宅の前と思しき場所複数にクワガタを置いて、ツイートで帰宅時間や自宅場所を確定させ、時価一億円以上のカードを盗み出し、メルカリで900万でその盗品らしきものが出品されているのか・・・ pic.twitter.com/t5KMDZ8CqN
— やうちはるき(えらいてんちょう)@しょぼい投資の話発売中 (@eraitencho) November 9, 2020
「家の前 クワガタ」でエゴサすると出るわ出るわ...。
— クワガタ@朝活zoom仲間募集中 (@yshirou) November 10, 2020
ゲーム垢/コレクター/歌い手などなどネット情報発信が盛んそうな人が多い。
10月なのに不自然な状況でクワガタ出没してる場合は要注意。Twitter経由での自宅特定用に空き巣が仕掛けたトラップらしいので、くれぐれもお気をつけてー。 pic.twitter.com/KgNXjQNMYA
ツイッターのトレーディングカード界隈で空き巣が頻発してるとかなんとか...カエルやクワガタを玄関前において自宅と帰宅時間特定してる... pic.twitter.com/nJWORYCIM5
— HyperParadise (@pregnant_boy) November 9, 2020
「自宅の前になぜクワガタ?」と思わず写真を撮ってTwitterに投稿してしまう心理を利用して、悪意のあるユーザー(空き巣の犯人)が自宅を特定するために仕掛けたものであると考えられています。
SNSに投稿する写真は意図せずに多くの情報を含んでいる場合があります。例えば学生であれば「制服」は一発で学校が特定されますし、特徴的な食べ物や、背景に写った建物やお店、自宅からの写真(空が綺麗、虹が見えたなど)、小さな情報を積み重ねることで悪意のあるユーザーから住所が特定される可能性は高まります。
また室内の写真でも複数投稿すれば間取りが判明してしまうことも。さらに最近のSNSでは動画投稿も盛んです。周囲の音などが入っていると、場所が特定される可能性はさらに高まるでしょう。
2019年にはアイドル活動をする女性が、自撮り写真の瞳に映る景色から自宅最寄り駅を特定され、特定した男性にわいせつ行為をされるという事案がありました。iPhoneをはじめスマートフォンのカメラはどんどん高性能になっていますし、SNSに投稿する写真は以前よりもリスクを孕んでいます。
SNSに投稿する写真は十分に気をつける必要があります。
リスクがあるのは写真だけじゃない。テキストにも気をつけよう
また写真や動画ではなく、テキストだけであっても注意が必要です。テキストだけでアカウントが特定された事例では、会社の偉い人が新入社員全員に「うまい棒」を差し入れし、直後に「うまい棒」でリアルタイム検索したことでアカウントが特定されたと話題になっていました。似たような事例は他にもあり、2013年には「ハーゲンダッツ」を使った事例も報告されています。
会社および上司、同僚にアカウントを隠してツイートしている新入社員の皆さん、一昨年、隣の部署の局長は突然「うまい棒」を局員全員に「差し入れだ」といって振る舞い、直後に「うまい棒」でリアルタイム検索をかけるという鬼畜の所業をした例をここに紹介しておきます。
— たられば (@tarareba722) April 8, 2014
他にも「○○線が遅延してる」や「自宅の近くで火事」みたいな投稿もとても特定されるリスクが高いといえます。電車の運行状況はすぐに確認できますし、その後「やっと帰宅」なんてつぶやいていれば自宅のおおまかなエリアがさらに絞り込まれます。
最後に、2015年に話題になり印象的だった「元ストーカーを自称するユーザーが、TLでたまに見かける人を特定できるか試してみた」という話を貼っておきます。SNSは気をつけよう!
私は元ストーカーでございます。ストーキングしたいわけじゃないんだけどストーキング以外に愛情表現わかんない☆っていうたちの悪いストーカーでした。過去ね、過去。
— 伊藤ロマ@金魚 (@kingyo_roma) June 20, 2015
住所とか職場とか電話番号とか家族構成寝る時間好きなもの、全部調べるの得意です。
で、昨日の夜ふと思い立った。
絡みがあるわけではないけど、TLでたまに見かける人で、子供の写真を思いっきり晒してる人がいて…
— 伊藤ロマ@金魚 (@kingyo_roma) June 20, 2015
この人のこと、インターネットだけを使って、どれだけ調べられるかなぁ?と、試してみました。
結果…
以下のことを、インターネットのみで特定することに成功しました。
— 伊藤ロマ@金魚 (@kingyo_roma) June 20, 2015
・本人と子供の本名
・住所
・電話番号
・子供が取り組んでいるスポーツ
・子供が通っている中学校と小学校
どう調べたかは、秘密。
でもとても簡単。
私はもう、その人に手紙を送ることも、電話をかけることもできます。
子供の中学校と小学校と、住所が特定できたということは、通学路も特定できました。
— 伊藤ロマ@金魚 (@kingyo_roma) June 20, 2015
スポーツをしてる子なので、帰りが遅くなることもあるんじゃないですかね。
一人でいるところに、声かけるのも容易そうです。
ゴミ捨て場も特定しました。
ゴミを見れば、もっと沢山の個人情報を入手できます。
あのね、何が言いたいかと言うと…
— 伊藤ロマ@金魚 (@kingyo_roma) June 20, 2015
世 の 中 、 怖 い よ 。
って、ことです。
簡単に、身元が確認できるような写真とか、あげちゃダメです。
「別にゴミ漁られてもいいし、ちょっとした隙に家に上がられて盗聴器つけられてもいいし、尾行されてもいい」っていう人以外は、気を付けて。