Appleは6月24日、世界開発者会議「WWDC 2020」を開催。iOS 14、iPadOS 14、macOS Big Sir、watchOS 7、Macの自社開発チップへの移行を発表しました。事前に情報のあったとおり、新製品の発表はありませんでした。
「WWDC 2020」で発表されたモノは大きく5つ
Appleは6月23日、世界開発者会議「WWDC 2020」を開催。新型コロナウイルスの感染拡大による影響で、史上初のオンライン開催となり、Apple Developer公式サイトや、YouTubeなどを通じてストリーミング配信されました。
スペシャルイベント基調講演は作り込まれたビデオで、配信と同時に日本語を含む字幕も提供されています。
WWDC 2020で発表されたものは大きく5つ。
- iOS 14
- iPadOS 14
- watchOS 7
- macOS Big Sur
- Macの自社開発チップへの移行
それぞれの発表について、重要な部分についてまとめていきます。
「iOS 14」ホーム画面のカスタマイズや、App Clipを発表
- ホーム画面を1ページごとに非表示にできる(アプリは削除されない)
- ホーム画面のアプリを自動で整理してくれる「App Library」を追加
- ホーム画面にウィジェットなどを配置可能
- 必要な情報を自動で表示してくれる新ウィジェット「Smart Stack」
- 「ピクチャ・イン・ピクチャ」を追加
- 「翻訳」機能を追加、11言語のテキスト・音声に対応、オフラインでも使用可
- ミー文字に20種類以上の髪型、マスク、ステッカーも追加
- メッセージのピン留め、スレッド化に対応
- iPhoneが車のキーとして使用化(2021年製BMW5シリーズから)
- 車のキーはiMessageで共有可能、紛失してもiCloud経由で無効化
- 共有時に制限が付与できる
- 必要な時に、アプリの一部分だけを利用できる「App Clip」を追加
- マップの経路案内が自転車に対応(日本は未対応)
- 「Find My」で、サードパーティ製品やアクセサリを検索するためのサポートを追加
- デフォルトのメール、ブラウザをサードパーティ製に置き換え可能
「iPadOS 14」手書きの文字を自動整形する新機能
- iOS 14と同じウィジェットをホーム画面に追加できる機能
- 写真、メモ、ファイル、ミュージックにサイドバー&ツールバーを追加
- 作業中の画面を隠さずに、Siriや通話が可能(iOS 14でも同様)
- 検索を強化し、デバイス内のすべてを検索可能
- Apple Pencilで手書きした文字や図を自動整形する「Scribble」を追加
- 「Scribble」リリース初期は日本語には未対応
- Safariなどさまざまなアプリのテキストフィールドで動作
- iOS 14に追加された新機能はすべて利用可能
- ARKit 4で、LiDARスキャナがキャプチャした情報にアクセス可能
- ロケーションアンカーを導入し、AR体験を世界の特定ポイントに固定
「AirPods」映画館のような音を再現
- 自動的にデバイスを切り替える機能を追加
- 映画館のように全方向から音が聞こえる「Spatial Audio」を追加
- 加速度センサーとジャイロスコープで、頭が動いても音が聞こえる方向は頭に対して固定
- 5.1ch、7.1ch、Dolby Atmosをサポート
「watchOS 7」睡眠トラッキングを追加
- コンプリケーションで1つのアプリを複数追加可能
- コンプリケーションが利用できる文字盤をさらに追加
- 文字盤をシェアできる「Face Sharing」機能を追加
- マップはiOS 14と同様に自転車に対応
- ワークアウトに「ダンス」を追加
- 加速度センサーとジャイロスコープで前進の動作を検出して消費カロリーを計算
- iOSアプリもデザインを刷新
- 「Activity」から「Fitness」にアプリ名を変更
- 睡眠トラッキングを追加
- iPhoneとApple Watchに睡眠モードを追加
- 「手洗い」を自動検知する新機能を追加
- ヘッドホンなどで音楽を聴きすぎていると通知する機能(1週間あたり約40時間80デシベル)
「Home」アップデートは地味
- 「Home Kit」オープンソース化し、さまざまなデバイスと連携可能に
- 照明や施錠をひと目で確認でき、アプリからのレコメンドも表示
- 部屋の照明を自動で最適化する「Adaptive lighting」
- 「Activity Zones」を設定すれば、人を顔認識し、iPhoneやHomePodなどに通知
- tvOSでXboxのコントローラーに対応
- ピクチャ・イン・ピクチャに対応
- 新作映画「FOUNDATION」を2021年公開
「macOS Big Sur」デザインを大幅に刷新
- デザインを刷新。デフォルトアプリのアイコンもすべて見直し
- サイドバーやツールバーのデザインがシンプルでわかりやすく
- メニューバーが半透明に変更
- iOSのコントロールセンターをmacOSにも追加
- 通知センターはアプリごとにまとまるように
- 通知センター内にウィジェットを追加可能
- メッセージを強化、ミー文字をMacで作成可能
- マップを強化、目的地に向かう友人の到着予定時刻を表示
- iOS 14で追加されるマップ機能は同様に追加
- Safariを大幅アップデート、JavaScriptの速度を強化
- ページ表示速度はChromeより50%高速
- 各サイトの個人情報収集状況を可視化
- パスワードの安全性をモニタリング
- Mac App Storeに拡張機能カテゴリを追加
- 拡張機能を使うサイトを選択可能
- スタートページをカスタマイズ可能
- タブにマウスオーバーでページサムネイルをホバー表示
- Safari内に翻訳機能を追加
「Apple Silicon」(プロセッサ)への移行を発表
- Apple製のSoC「Apple Silicon」へ移行
- 電力消費が少なく、ハイパフォーマンスを実現
- すべてのデフォルトアプリを「Apple Silicon」ネイティブに移行
- 「Universal 2」でほとんどのデベロッパが数日でネイティブに移行可能
- Microsoft Officeはすでにネイティブ化、AdobeもCreative Cloudを最適化
- 「Roseta 2」でシームレスな移行が可能
- 初のApple Silicon搭載Macは2020年末に発売
- 移行期間は2年を想定
- Intel版Macのサポートとアップデートは継続
- 新しいIntel版Macを発売する予定もある
各OSのリリース時期
- 開発者向けベータは本日(6月23日)より公開
- Public Betaは来月より公開