週刊少年ジャンプ(2020年10号)に掲載された人気漫画「僕のヒーローアカデミア」に悪の組織の医師として登場した「志賀丸太」というキャラクターについて、中国など海外の読者から「過去の悲惨な歴史を想起させる」と指摘されていた件について、集英社と作者・堀越耕平氏が謝罪コメントを発表しました。
「死柄木の一部をとって、志賀」「丸太は丸々と太った」説明し謝罪
週刊少年ジャンプ(2020年10号)に掲載された人気漫画「僕のヒーローアカデミア」に登場した、悪の組織の医師「志賀丸太」というキャラクター名について、集英社と作者・堀越耕平が謝罪コメントを発表しています。
中国など海外の読者から「志賀丸太」という名前が、過去の悲惨な歴史を想起させると指摘され物議を醸していた問題で、集英社は2月3日にも公式サイトで謝罪コメントを発表していました。
'丸太'は第2次世界大戦の時に日本の731部隊の生体実験に強制的に動員された被害者の人々を称する言葉だ。 ヒロアカの原作者·堀越 耕平は、人体実験を行うヴィランの名前を'丸太'と名付けた。これは被害者と被害国家への冒涜だと思う。私は原作者の謝罪とキャラクターの名前を変えることを望んでいる。 pic.twitter.com/FSJVvoAFKm
— 빵긋 (@midori_png) 2020年2月2日
作者の堀越耕平氏も2月3日、自身のTwitterで謝罪コメントを投稿しています。
今週発売のジャンプで登場した志賀丸太という名前について、歴史的な出来事を想起させるというご意見を多くいただいています。命名にあたり、そのような意図を込めたつもりはありませんでした。ご指摘のお声を重く受け止め、今後は名前を差し替えさせていただきます。
— 堀越耕平 (@horikoshiko) 2020年2月3日
少年ジャンプ編集部公式Twitterは2月7日、改めて謝罪文を発表。2月3日には説明されていなかった、キャラクターの命名理由も付け加えられています。
堀越氏は。キャラクター名は「死柄木の一部をとって志賀と名乗ることにした」「丸太は丸々と太った感じを表せればと名付けた」と説明。集英社は「前に編集部が表現について十全な検討を行うべきでした」とし、「キャラクター名を、紙版においてはコミックス収録時に、電子版においてはすみやかに変更いたします」としています。
「週刊少年ジャンプ」2020年10号『僕のヒーローアカデミア』における表現についてのお詫び
— 少年ジャンプ編集部 (@jump_henshubu) 2020年2月7日
週刊少年ジャンプ編集部 pic.twitter.com/OvvfryPINo
集英社、堀越耕平氏の謝罪コメント全文
「週刊少年ジャンプ」2020年10号『僕のヒーローアカデミア』における表現についてのお詫び
『週刊少年ジャンブ』2020年10号(2月3日発売)掲載の『僕のヒーローアカデミア』第259話に登場したキャラクター名「志賀丸太(しがまるた)」について、過去の悲惨な歴史の記憶を想起させるとのご指摘を、中国をはじめとする海外の読者の方々から多くいただきました。「志賀(しが)」は他の登場人物名の一部から、「丸太(まるた)」はその外見から命名したもので、過去の歴史と重ね合わせる意図は全くありませんでした。しかしながら、「悪の組織の医師」というキャラクターの設定とこれらの名前が合わさった結果、中国をはじめとする海外の読者の皆様に不快な思いをさせてしまいました。事前に編集部が表現について十全な検討を行うべきでした。深くお詫び申し上げます。
今回の問題を真摯に受け止め、当該キャラクター名を、紙版においてはコミックス収録時に、電子版においてはすみやかに変更いたします。
今後、このような事態を起こさないよう、様々な歴史と文化への理解を深める努力を続けるとともに、多くの人々の気持ちに寄り添いながら、皆様に愛される漫画をお届けしてまいります。
2020年2月7日株式会社 集英社
『僕のヒーローアカデミア』第259話で描いた「志賀丸太」という名前について、大勢の方に大変不快な思いをさせてしまい、誠に申し訳ございません。「志賀(しが)」は、彼がかつての「敵連合(ヴィラン連合)」のボス「オール・フォー・ワン」に心酔し、自らその存在に近づきたいと思ったことから、その本名「死柄木(しがらき)」の一部をとって「志賀(しが)」と名乗ることにしたもので、「丸太」は「丸々と太った」感じを表せればと名付けたものです。いずれも偶然で、読者のみなさんを傷つける意図は全くありませんでした。心からお詫びいたします。
今後、二度とこのようなことを繰り返さぬよう、努めてまいります。
堀越耕平