京アニ放火犠牲者の実名公表、京アニ代理人弁護士「大変遺憾」ーー京都府警のWikipediaは一時荒らしも

京アニ放火犠牲者の実名公表、京アニ代理人弁護士「大変遺憾」ーー京都府警のWikipediaは一時荒らしも

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京都アニメーション放火事件で、京都府警は8月27日、亡くなった35人のうち未公表だった25人の実名を公表。京都アニメーション代理人弁護士の桶田大介弁護士は同日、Twitterで「大変遺憾」と見解を示しました。

京アニ放火事件犠牲者の実名公表、代理人弁護士「大変遺憾」

Kyotoanime
京都アニメーション公式サイト

京都アニメーションで起きた放火事件で、京都府警は8月27日、亡くなった35人のうち未公表だった25人の実名を公表しました。発表を受け、一部メディアは犠牲者の実名を報じています。

犠牲者の実名報道を巡っては、京都アニメーションは警察および報道に対し、実名での報道を控えてもらうよう書面で申し入れていました。公式サイト上でも「ご家族・ご親族、ご遺族のご意向を最優先とさせていただきつつ、少なくともお弔いが終えられるまでの間は、弊社より公表する予定はございません」とコメントしています。

時事通信によると、京都府内の報道12社でつくる在洛新聞放送編集責任者会議は8月20日、事件発生から1カ月以上も犠牲者の身元が公表されないことに対し「事件の全体像が正確に伝わらない」「過去の事件と比べても極めて異例」として、京都府警に対し実名公表を求める申し入れ書を提出したと報じられていました。

申し入れ書は植田秀人・府警本部長宛て。発生1カ月以上たっても発表がないことに触れ、「事件の全体像が正確に伝わらない」と懸念を伝えた上で、「過去の事件に比べても極めて異例」として速やかな実名公表を求めた。また、今回を先例としないよう要請した。

時事ドットコム

NHKによると実名公表に至った経緯について、京都府警は「社会的な関心が高く、事件の重大性や公益性などからも情報提供することがよいと判断した」と説明したとのこと。

京都府警の西山亮二捜査1課長は事件発生から40日がたって25人の名前を公表したことについて、「大変凄惨(せいさん)な事件で、関係者の精神的なショックも極めて大きいことから、ご遺族や会社の意向を丁寧に聞き取りつつ、葬儀の実施状況を配慮して慎重に検討を進めてきた。社会的な関心が高く、事件の重大性や公益性などからも情報提供をすることがよいと判断した」などと説明しました。
そのうえで、遺族の中には名前の公表に反対している人がいて、会社側からも公表を控えるよう要望が寄せられているなどとして、「取材や報道にあたっては、遺族の心情に配慮してほしい」と説明しました。

NHKニュース

実名報道の是非について、ネット上では様々な意見があがっています。京都アニメーション代理人弁護士の桶田大介氏はTwitterで、「弊社の度重なる要請及び一部ご遺族の意向に関わらず、本日被害者の実名が公表、一部報道されたことは大変遺憾です」とコメントを発表。

京都府警や報道に対し「改めて故人及びご家族のプライバシーとご意向の尊重につき、お願い申し上げます」と呼びかけました。

また実名公表を受けても、報道を控えている報道機関もあるとし、「当該報道の関係者におかれましては、節度ある対応をいただいておりますことについて、感謝申し上げます」と配慮への感謝をつづっています。

京都府警のWikipediaは一時荒らしに、現在は復旧

実名を公表した京都府警のWikipediaは、一時荒らし行為が相次ぎ、「京都府警察(プライバシー侵害手引き及び個人情報売買組織)」などと改変されていました。現在は復旧しています。

Kyoto fukei 1
京都府警察のWikipedia変更履歴より