「この差って何ですか?」(TBS系)で8月13日に放送された「お盆のしきたりにまつわる差」という企画で、「お墓参りの作法」として「『お墓の上から水をかける』は、ふさわしくない!」と紹介されていた件について、葬儀会社の佐藤葬祭社長・佐藤信顕氏が「掃除は問題ありません」と指摘しています。
TBS「お墓に水をかけるのはふさわしくない」という放送に指摘
8月31日放送のバラエティ番組「この差ってなんですか?」(TBS系)で、お墓参りの作法として「お墓の上から水をかける」「墓石をタワシで磨く」という作法は"ふさわしくない"ものだと紹介。葬儀会社の佐藤葬祭社長・佐藤信顕氏が「掃除は問題ありません」などと指摘しています。
番組公式サイトによると、お墓参りの作法として以下のように紹介していました。
- 先祖様の体のようなものだから大切に扱う
- 頭の上から水をかけてはいけない
- お水は「お供え物」としてあげている
- お水をあげるのは「水鉢」や「水受け」
- お墓を磨くときは柔らかいものので丁寧に洗うのがふさわしい
「お墓に水をかけ、墓石を綺麗にする」という考え方とは大きく食い違っていると紹介しており、ネット上では様々な声が寄せられていました。
番組を受け、葬儀会社の佐藤葬祭社長・佐藤信顕氏は自身のTwitterを更新。「細木数子が言い出したトンデモマナーで、そんなこと仏教的でもなんでもない」と指摘しています。
墓に水をかけちゃいけないってテレビでやってたみたいだけど、掃除だからアレ。墓に上から水をかけちゃいけないってのは細木数子が言い出したトンデモマナーで、そんなこと仏教的でもなんでもないから、みんな墓はキレイにしてあげていいよ。葬儀屋のおじさんが保証する。
— 佐藤信顕@遺体と火葬のほんとうの話 (@satonobuaki) 2019年8月13日
上から水をかけちゃいけないんだったら、雨はどこから降ってくるんだって話だし、屋外に置くなよってことになるんじゃないですか、キレイにするには上から丁寧に水をかけて洗ってあげてください、こんだけ暑いんだものご先祖さんもさっぱりしますよw
— 佐藤信顕@遺体と火葬のほんとうの話 (@satonobuaki) 2019年8月13日
多分「水をかける」って表現が人によって受け取り方がちがうんで揉めているだけなんだとおもいますけど、バッシャンって手荒くかけるのは手荒いから止めましょうってことで、やさしく注いであげたらいいんです、その方がキレイにしやすいってだけだから、表現に工夫をしたらいいんです。
— 佐藤信顕@遺体と火葬のほんとうの話 (@satonobuaki) 2019年8月13日
墓石が熱くなって、水をかけたら割れるんだったら夏場に玄関先の石畳に水を撒いたら割れまくりですw
— 佐藤信顕@遺体と火葬のほんとうの話 (@satonobuaki) 2019年8月14日
補足:我が家はずっと濡れタオルで拭いてますが、水かけなきゃだめですか?って言われたんですけど、墓参りは慣習風習ですから、しきたりがあるならしきたりに従っていいんですよ。要は墓がキレイになるのが大事なんです。
— 佐藤信顕@遺体と火葬のほんとうの話 (@satonobuaki) 2019年8月14日
また浄土真宗の一部では「供物としての水が要らない」という考えがあるが、「掃除は問題ありません」とコメントしています。
お墓参りの水かける・かけない問題で、浄土真宗さんの一部には水をかけないというのがありますが、あれは真宗さんの仏壇に水を供えないのと同じで『阿弥陀仏の浄土には清らかで優れた水がたっぷりとあるから』と考えるからで、供物としての水が要らないだけです。掃除は問題ありません。
— 佐藤信顕@遺体と火葬のほんとうの話 (@satonobuaki) 2019年8月15日
他宗派では水は供養、供物とみなされるので水鉢(水盤、水受け)に石塔を辿り水が満たされご先祖様への供養とされるので、お参りの際に水かけるのは水の供養としてお参り作法の一部になっているわけです。
— 佐藤信顕@遺体と火葬のほんとうの話 (@satonobuaki) 2019年8月15日
真宗さんのお墓では水鉢がなく(霊園とかなんとかだと真宗さんでもあったりするし、あんまりこだわらないお寺もある)花と線香を供えればいいって形になっていますが、墓石に水をかけること自体は別に宗派として禁止されている事ではありません。
— 佐藤信顕@遺体と火葬のほんとうの話 (@satonobuaki) 2019年8月15日
一説に墓に供える水が、地獄に言ってしまった人が飲める供物であるとか、死者は供えられた水しか口にできないといった考え方と、皆南無阿弥陀仏と唱えれば極楽浄土に往生するといった考え方が相反しますから、水を供える(供物としてかける)必要がない事を表しているんだと思います。
— 佐藤信顕@遺体と火葬のほんとうの話 (@satonobuaki) 2019年8月15日
なので、真宗さんの考え方を踏まえたとしても、かけてはならないではなくかける必要がないってぐらいが、表現として妥当性がある所で、水をかけてはいけない、かけてもいいではなくてキレイにするために必要な行為をしましょうというのが正確な所です。
— 佐藤信顕@遺体と火葬のほんとうの話 (@satonobuaki) 2019年8月15日
問題は番組として成立するために「いままでのやり方は正しいやり方では無い」っていう、ビックリを盛り込もうとする事で風習慣習っては、だれかをビックリさせるために存在するもんじゃなくて、いつも同じで安心するために古くからあるものを尊重しているので、ビックリさせようとするとおかしくなる。
— 佐藤信顕@遺体と火葬のほんとうの話 (@satonobuaki) 2019年8月15日
墓に水をかけちゃいけないってテレビでやってたみたいだけど、掃除だからアレ。墓に上から水をかけちゃいけないってのは細木数子が言い出したトンデモマナーで、そんなこと仏教的でもなんでもないから、みんな墓はキレイにしてあげていいよ。葬儀屋のおじさんが保証する。
— 佐藤信顕@遺体と火葬のほんとうの話 (@satonobuaki) 2019年8月13日
「お墓に水をかけてはダメ」過去にもテレビで放送
また墓石業の専門店グループである一般社団法人全優石は、2014年に放送されたテレビ番組で「墓石に水をかけると割れることがあるのでかけない方がよい」と答えるようにと言われ困ったと明かしています。
全優石によると「熱を吸収しやすい黒御影石の墓石は、酷暑の日などは触れないほど表面が熱くなることがありますので、そこにいきなり冷たい水をかけると割れることがあるかもしれません」としつつも、「めったに起こることではない」「猛暑が続きましたが、墓石に水をかけて割れたという報告は受けていません」と説明。
墓石に水をかける作法について「特に決まりはありません」としつつも、「お墓に水をかけることは墓石を清めるという意味があるほか、仏教では水のことを閼伽(あか)と言って、あの世での飢えの苦しみから救う供物の意味がありますので、お墓に水をかけることはよい習わしだと思っています」とつづっています。