Adobeは6月14日、Photoshopで加工された顔写真の加工した箇所を見つけ、元に戻すことができるツールを開発したと発表しました。99%の精度で加工箇所を見つけ出すことができたということです。
Photoshopの顔写真修正を99%の精度で見つけ出し、元に戻すツールが開発される
AdobeがPhotoshopを使って修正された顔写真の修正箇所を見つけ出し、元写真に戻すことができるツールを開発したと発表しました。
Photoshopの登場で、写真修正がいたるところで行われている状況で、ファイク問題は深刻な状況だとし、Adobeとカリフォルニア大学バークレー校の共同研究者らはPhotoshopの「Face Aware Liquify」機能を使って画像に加えられた編集を検出する方法を開発。
「Face Aware Liquify」機能はPhotoshopで顔写真を修正するために使われることが多い人気機能。この機能の修正効果は人の目にはわかりにくいという特徴があります。
プロジェクトでは「Convolutional Neural Network(CNN)」に何千枚もの画像データを学習させ、写真を無作為に選んで訓練。結果としてこのツールは99%の精度で写真の修正箇所を見つけ出すことに成功。ちなみに同様のテストを人間が行ったところ、精度は53%だったといいます。
ツールは修正が行われた部分を特定し、実験では修正された画像を元の状態に戻すことができ、研究者らも感銘を受けたとのこと。
Adobe担当者「修正された写真をボタン1つでも元の状態に戻すのは、実現には程遠い」
Adobe ResearchのRichard Zhang氏は「画像編集を元に戻すための魔法の万能『元に戻す』ボタンは、まだ実現には程遠い」とコメント。
Adobe Researchの責任者であるGavin Miller氏は「これは、特定タイプの画像編集を検出するための重要なステップであり、元に戻す機能は驚くほどうまく機能します」「こういった技術で、コンテンツが操作可能であることを多くのユーザーが知ることが最善の防御策となるでしょう」と語っています。