株式会社カネカに勤務していた男性社員が、1カ月の育児休暇から復職して2日後に無理な転勤命令を言い渡され、カネカ側は男性社員からの転勤の先延ばしなどの相談には応じず、男性社員は有給取得もできず退職に追い込まれるという事案がTwitterで報告されています。
カガクでネガイをカナエル会社「カネカ」でパタハラ疑惑の事案が話題に
株式会社カネカに勤務していた男性社員が、1カ月の育児休暇を取得して職場復帰した2日後に関西転勤を命じられ、最終的に退職にまで追い込まれたという事案がTwitterで報告されています。転勤については仕方がないこととはいえ、そのタイミングについて「あり得ない」「パタハラ」(パタニティー・ハラスメント)と物議を醸しています。
投稿主は1周間前に社宅から建てたばかりの新居に引っ越したばかり。長男は慣らし保育2週目、下の子は来月に入園が決定し、同時に投稿主(妻)は正社員の仕事に復帰する予定だったのだそう。
夫育休明けて、今日1か月ぶりの出社。息子は慣らし保育でおやつまでだから、久しぶりに娘とふたり時間。引越し荷物片付けなきゃだが、まずはコーヒーでも☕️
— パピ_育休5月復帰 (@papico2016) 2019年4月22日
信じられない。
— パピ_育休5月復帰 (@papico2016) 2019年4月23日
夫、育休明け2日目で上司に呼ばれ、来月付で関西転勤と。先週社宅から建てたばかりの新居に引越したばかり、上の息子はやっと入った保育園の慣らし保育2週目で、下の子は来月入園決まっていて、同時に私は都内の正社員の仕事に復帰予定。何もかもあり得ない。
とりあえず私労働組合に電話していろいろアドバイスをもらったが、突然すぎて頭追いつかない。不当すぎる。
— パピ_育休5月復帰 (@papico2016) 2019年4月23日
ピンチはチャンスで絶対切り抜ける!
上長と人事には、組織に属している以上転勤は当然だが、今のタイミングでは難しいから1、2か月延ばして貰いたいと依頼したところ、ダメと。都の連合からアドバイス貰い、会社の労働組合にも相談したが人事OK出てる以上仕方ない、と。最後、労働局に相談したら、紛争状態になったら事業主との間に入り、
— パピ_育休5月復帰 (@papico2016) 2019年4月25日
解決や助言をする事は可能、とのこと。結局、違法ではないから、労働者の状況を配慮し、妥当なのかどうか?を、場合によっては指導する事しか出来ないらしい。
— パピ_育休5月復帰 (@papico2016) 2019年4月25日
このタイミングでの転勤はムリだから夫退職するしか無いと考えてるが、男性育休とったらこうなる、という見せしめ、事例になるのは不本意。
転勤の時期を先延ばしにして欲しいと相談したところ、会社と会社の労働組合は「ダメ」という返事だったといい、このタイミングでの転勤は難しいため投稿主の夫は退職することを決意。
さらに、退職前に有給取得もさせてもらえなかったとのこと。「夫は今日から専業主夫になりました。私産後4か月で家族4人を支えます」と決意を語ったツイートは約3万リツートされ、応援のメッセージが殺到しています。
改めて決意
— パピ_育休5月復帰 (@papico2016) 2019年6月1日
夫日系一部上場企業で育休とったら明けて2日で関西に転勤内示、私の復職まで2週間、2歳と0歳は4月に転園入園できたばかり、新居に引越して10日後のこと。
いろいろかけ合い、有給も取らせてもらえず、結局昨日で退職、夫は今日から専業主夫になりました。
私産後4か月で家族4人を支えます
わお!みなさまありがとうございます!補足すると、内示言われてから居住地域の労働局、人事、労働組合、都の労働局に相談しています。「社員の転勤命令は違法ではない」が統一意見でしたが、そこに妥当性(どうしても夫でなければならない、このタイミングでなければならない)が見られるか、が→
— パピ_育休5月復帰 (@papico2016) 2019年6月1日
ポイントでした。私たちは、転勤は応じるとしても生活が落ち着いていないので(社宅から建てたばかりの新居に引越して10日後)せめて1か月延ばしてほしい、と上司にお願いしましたが、聞き入れてもらえず。5月16日付で転勤、は絶対。4月23日の事でした。#カガクでネガイをカナエル会社
— パピ_育休5月復帰 (@papico2016) 2019年6月1日
仕方なく連休明けに上司に、5月に関西転勤はできないから退職しかない、と伝え、ただ夫はじめたプロジェクトを責任持って軌道に乗せたいから東京で6月まではやらせてほしい、次への準備に20日以上余った有給を消化させてほしい、と頼んだけど、辞めるなら5月末だから、と切られ、ボーナス無し。
— パピ_育休5月復帰 (@papico2016) 2019年6月1日
SNSの力と反響の大きさに驚き、何よりこんなに拡がったのにクソリプの少なさと温かい応援がありがたく!
— パピ_育休5月復帰 (@papico2016) 2019年6月2日
論点いくつか。男性育休問題→パタハラ、共働き世帯の転勤、有給取得、会社への忠誠、今回人事、労働組合、都の労働局(労基)に相談しての結果なので、私たちは引きずっておらず→
転勤内示出た時夫が「自分を戦力として無いならここにいる意味ないしね」に同意、お金は大事ですが、しがみ付くよりはさっさと次へ行こうねー、と退職決めました。ただ、こういう結果になりましたが、夫育休取得は貴重な時間を家族一緒に過ごせことで全く後悔なし、私たちの財産なので、私たちの例が→
— パピ_育休5月復帰 (@papico2016) 2019年6月2日
今後の男性育休取得の妨げになるのは嫌なのと、共働き世帯の転勤でワンオペ負担を強いられる家族や、働きたくても働けないママたちパパたちが少しでも減ることを願いつつ、、SNSにいる属性と日系企業の経営層の属性がどれくらい被っているかは微妙ですが、小さな小さな一石を投じられた?
— パピ_育休5月復帰 (@papico2016) 2019年6月2日
男女雇用機会均等法や育児・介護休業法では、妊娠・出産、育休等の事由の終了から1年以内に不利益取扱いがなされた場合は、「妊娠・出産、育休等を理由としている」と判断され、不利益な配置の変更などを行うことは法律違反となります。また厚生労働省の指針では「育児休業及び介護休業後においては、原則として原職又は原職相当職に復帰させることが多く行われているものであることに配慮すること」と明記されています。
カネカ公式サイトから「育休」ページが削除される
なおカネカは厚生労働大臣から「子育てサポート企業」として認定を受けた企業が付与される「くるみんマーク」を取得していると、公式サイトの「ワークライフ・バランス」のページで記載しており、2016年には男性3名、女性37名が育児休暇を取得していたとのこと。
育休のページ削除されてるぽいので、キャッシュから拾ったの貼っておきますね
— てくと (@prgrmr8) 2019年6月2日
#カネカ pic.twitter.com/LWjgFKelRf
削除されたカネカ公式サイト及び育休ページ、こっちなら見られるってリプ頂いたのだけど、URLにstgってあって、これ開発環境なのかな。
— てくと (@prgrmr8) 2019年6月2日
「カネカ stg」ってつけてググるとヒットするし、フルオープンかつクローリング許可状態だなんて...https://t.co/AaUI6FYbWe#カネカ https://t.co/uVF1m13Lyo
ですが、現在はこのページは削除されており「ページが見つかりません」と表示されます。
ネット上では今回の騒動で「完全な嫌がらせ人事」などと批判する声や、企業の体質が「昭和」だと指摘する声、男性の育児休暇取得の壁について指摘する声など、様々な意見があがっています。
(追記)夫がカネカに勤めてて、育休取ったら育休明けスグに関西転勤内示って、異動・転勤を利用した嫌がらせよね。それで、結局、有給も使えず退職させられるって、そんなことするならそもそも制度として育休制度を設けるべきではないって話だと思うけど…。なんで男性の育休制度あるん?トラップか?
— めそ先生 (@meso_tan2) 2019年6月1日
キャリコネニュースがカネカに問い合わせたところ、ページは削除されたのではなく「リニューアル前のページが一部で閲覧可能になっていた」とのこと。
また、今回の騒動について「現状、弊社宛の書き込みではないので、コメントは差し控える」と回答があったとのことです。
同社には現在、ツイート内容に関する意見や問い合わせが来ているというが、件数は明かされなかった。一連のツイートについては、「現状、弊社宛の書き込みではないので、コメントは差し控える」と述べた。キャリコネニュース