自民党が党所属の議員らに、失言を防ぐための注意事項をまとめたマニュアルを配布したと、NHKなどが報道。5月15日放送の「Live News α」(フジテレビ系)でこの話題に触れた、フジテレビの三田友梨佳アナウンサーは「必要なのは、マニュアルではなく判断力なのでは」とコメント。失言防止マニュアルとはどのような内容だったのか、報道されている情報から文字起こししてみました。
自民党の「失言防止マニュアル」への三田アナのコメントに反響
自民党が党所属の議員らに「失言防止マニュアル」を配布したことについて、5月15日放送の「Live News α」(フジテレビ系)でフジテレビの三田友梨佳アナウンサーが「必要なのは、マニュアルではなく判断力なのでは」とコメントしたことについて、ネットで「正論」といった意見が拡散されています。
「失言防止マニュアル」では「発言は『切り取られる』ことを意識する」「タイトルに使われやすい『強めのワード』に注意」などと記載され、「歴史認識。政治信条に関する個人的見解」「ジェンダー(性差)・LGBTについての個人的見解」などは注意すべきだと紹介されています。
三田アナは失言防止マニュアルについて、「必要なのは、マニュアルではなく判断力なのではないでしょうか。言って良いことと悪いことの判断は誰かに言われてではなく、自ら責任を持っていただきたいです。マニュアルが必要になる時点で、国会議員の資質とは一体なんなのか。考えてしまいます」とコメント。
正論を言うミタパン pic.twitter.com/uDfpbGcy0G
— ソーンK (@soon_K_) 2019年5月15日
ネットでは「正論」「ミタパンと全く同じこと思ってたから、言ってくれてスッキリした」「びっくりするほど正しくてびっくりした」などといった声が寄せられています。
一方で失言防止マニュアルについて、「報道の悪用の手口が書かれているので、それを一般の人に周知させたくない、嘘であるとして覚えてもらいたくないのがあるのでしょうね」「単なるマニュアルとして読むと、非常に優れたテキストになる」といった意見もあがっています。
某党の「失言防止マニュアル」。報道が盛んに否定的意見を抽出してネガティブなイメージをつけるもう一つの理由。報道の悪用の手口が書かれているので、それを一般の人に周知させたくない、嘘であるとして覚えてもらいたくないのがあるのでしょうね。インチキ商売の種明かしが書かれているようなもの。
— 不破雷蔵 (@Fuwarin) 2019年5月16日
各地に散らばっている「失言防止マニュアル」の内容を、偏見を除するために某党発信のものとしてではなく、単なるマニュアルとして読むと、非常に優れたテキストになるのですけどね。
— 不破雷蔵 (@Fuwarin) 2019年5月16日
見方を変えると、某党発信だからということで叩いたりせせら笑ったり逆切れしている筋は、偏見による判断をしている、内容を精査する能力に欠けていると見ることもできるのです。
— 不破雷蔵 (@Fuwarin) 2019年5月16日
自民党が配布した「失言防止マニュアル」には何が書かれていたのか、報道されているマニュアルを「文字起こし」してみました。
自民党の"失言防止マニュアル"「『失言』や『誤解』を防ぐには」
発言は「切り取られる」ことを意識する
報道各社は、放送の尺や記事の文字数など限られた条件の中で取材内容をまとめます。当然、政治家の演説会等での発言や映像を「丸ごと」発信することは、ほぼありません。確実に一部が切り取られ報道されます。わかっているつもりでも、意外と忘れているこのポイント、あらためて意識しましょう。
報道内容を決めるのは目の前の記者ではない
日夜、政治家の動向や発言を追う報道記者。しかし、彼らの取材内寄がそのまま報道されるわけではなく、「編集」という作業が社内で加えられます。これは、取材内容を各社の方針に沿ってまとめたり、記事が多くの読者の目に触れるようにインパクトをつけたりする作業で、現場記者とは別の担当が行っています。ですから目の前の記者を邪険に扱うようなことはせず、自らの発言に注意しながら、丁寧に対応しましょう。また、親しい記者の取材も注意が必要です。説明を端折ったり、言葉遣いが荒くなったりしないよう心掛けましょう。
タイトルに使われやすい「強めのワード」に注意
次の5つのパターンについては表現が強くなる傾向にあります。場所や周囲の状況を諸まえ、自らの発言をコントロールしていくことが大切です。プライベートな会合であっても、近くで取材されている可能性があります。また誰もがスマートフォンで写真や映像を発信できることを意識しましょう。
【パターン1】歴史認識。政治信条に関する個人的見解 → 謝罪もできず長期化の傾向【パターン2】ジェンダー(性差)・LGBTについての個人的見解【パターン3】事故や災害に関し配慮に欠ける発言【パターン4】病気や老いに関する発言【パターン5】気心知れた身内と話すような、わかりやすく、ウケも狙える雑談口調の表現
リスクを軽減する3つの対策
対策① 句点(。)を意議して、短い文章を重ねる話法
読点(、)が続くダラダラ喋りは「切り取り」のリスクが増し、「失言」や「誤解」が生まれるもとになります。句点(。)を意識して短い文章を重ねていくことで、余計な表現も減り、主張が誤解されにくくなります。
対策② 支持者や身内と使っている「危ない表現」を確認
周囲の喝采や同調に引きずられると、つい「公で言うべきことではない」ことを口走る可能性があります。身内の会合や酒席で盛り上がるような「トークテーマ」には要注意。日頃の言葉遣いを、第三者にチェックしてもらいましょう。
対策③ 「弱者」や「被害者」に触れる際は一層の配慮を
親しみやすい語り口、ざっくばらんな表現を使った演説の方が聴衆に届きやすいこともありますが、「弱者」や「被害者」が存在するテーマについては、表現に「プレーキをかけるようにしましょう。