山田優が天皇陛下に「お疲れ様」で批判殺到?国語辞典編纂者・飯間浩明氏が「誤用ではない」と解説

山田優が天皇陛下に「お疲れ様」で批判殺到?国語辞典編纂者・飯間浩明氏が「誤用ではない」と解説

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モデルで女優の山田優が自身のInstagramに「天皇皇后両陛下お疲れ様でした」と投稿し、ネット上で「皇室をなんだと思っているのでしょうか」などと批判が殺到していると一部メディアが伝えていました。この件について「三省堂国語辞典」の編集委員を務める国語辞典編纂者の飯間浩明氏が自身のTwitterで「一般的には、目上に『お疲れさまでした』と言ったとしても問題ない」と解説しています。

「お疲れさまでした」目上にと言ったとしても問題ない、国語辞典編纂者が解説

kokyo

モデルで女優の山田優が4月30日、自身のInstagramを更新。退位される天皇陛下へ「天皇皇后両陛下お疲れ様でした」と投稿し、一部のユーザーから「皇室をなんだと思っているのでしょうか」などと批判の声が寄せられていたと デイリーニュースオンラインが伝えていました。

この記事を受け、「三省堂国語辞典」の編集委員で国語辞典編纂者の飯間浩明氏が自身のTwitterを更新。「一般的には、目上に『お疲れさまでした』と言ったとしても問題ない」と理由を解説しています。

飯間氏は「目上への『お疲れさまでした』が不可とされるなら、それは新しい謎ルールの誕生」だとしたうえで、「(日本語の使い方としては)べつに間違っとらん」とコメント。

昔は目上に対しては「ご苦労さまでした」が使われていたといい、過去には昭和天皇に三木首相や中曽根首相が「ご苦労様で(ございま)した」と述べたこともあるとのこと。

目上に「ご苦労さま」は失礼というルールが誕生したのは20世紀末で、1990年代には「上司には『ご苦労さま』より『お疲れさま』がふさわしい」と言われるようになり、2005年度の国語世論調査では、「お疲れさまでした」は目上への挨拶の新スタンダードになっていたと説明しています。

飯間氏は、目下から「お疲れさま」「ご苦労さま」を言われたくないという人への「配慮はあってもいい」としつつ、「一般的に、目上に『お疲れさまでした』と言ったとしても問題ない。集中的に批判されるようなことではありません」としています。

「お疲れ様は目上の人に使ってはイケナイ」はマナー本などの影響

またライターで「異名・ニックネーム辞典」を編纂した杉村喜光氏も自身のTwitterで山田優の投稿が批判されていることに触れ、「この『お疲れ様は目上の人に使ってはイケナイ』は平成になってからマナー本などに登場した新ルール」だと指摘。

マナー本に「近年はそう思われている」「社外でも挨拶には使わないほうがいい」などと書かれていることで、「ジワジワとこれが正しいマナーになっている最中」だと説明しています。

杉村氏は「基本的に『お疲れさま』で問題はないと思う」と見解を述べ、「『ご苦労様は目下からはダメ』も80年代後半ぐらいに登場したルールのハズ」と説明しています。

また「90年代初頭は謎マナーが多く登場し『徳利の注ぎ口から注いじゃダメ』『結婚式の引き出物にお茶はダメ』とかもそう」と補足。

「言葉は生きているので時代と共に意味が変わるのは面白い」としながらも「人為的な力が加わった変化は気持ち悪い」とコメントしています。