Nintendo Switch版「大乱闘スマッシュブラザーズ」の新情報が明かされ、ファンからは多くの期待の声が寄せられています。そんな中、Twitterでは「スマブラの話で必ず思い出すのが、小学生の時に不登校だったT君」という一連のツイートが「涙が止まりませんでした」「良い話」と注目を集めています。
不登校だったT君がスマブラを通じて友だちができ、小学校に再び登校できるようになった
大人気ゲーム「大乱闘スマッシュブラザーズ」のNintendo Switch版の新情報が明らかにされ盛り上がりを見せていますが、Twitterでは「スマブラの話で必ず思い出すのが、小学生の時に不登校だったT君」という一連のツイートが注目を集めています。
投稿したのはゆうやんさん(@yuyan_mtg)。不登校だったT君の家にプリントを渡しに行ってくれと頼まれたところ"スマブラの音"が聞こえ、一緒にスマブラをすることに。
スマブラの話で必ず思い出すのが、小学生の時に不登校だったT君。小2から不登校になって一度も学校に来ず、俺は顔すら見たことなかったのだけど、小4の時に「プリントを渡しに行ってくれ」って先生から頼まれて、たまたま俺が行ったら、お母さんが出てきて、その時スマブラの音が聞こえた。
— ゆうやん (@yuyan_mtg) 2018年6月14日
「お、スマブラだー」って呟いたらお母さんが「あ。知ってるの?遊んでく?」と聞かれて、俺が快諾すると、お母さんが嬉しそうにT君に話しに行く。10分ぐらいして家に上がる許可が出て、靴を脱いで中へ。初対面のT君にコントローラーを渡されて、ろくに会話もしないままゲームスタート。
— ゆうやん (@yuyan_mtg) 2018年6月14日
T君は当時罰ゲームでもなければ誰も使っていなかったという「プリン」を選択するも、圧倒的な強さでゆうやんさんに完勝。3時間ほど遊んでも1度も勝てなかったゆうやんさんは帰り際、「また来ます」と挨拶したのだそう。
「アイテムなし、ストック3で良い?」奇しくもT君が提案したルールは、いつも俺が友達と遊んでるものと同じだった。
— ゆうやん (@yuyan_mtg) 2018年6月14日
そしてキャラ選択。
俺が選んだのはカービィ。色ももちろん青に変更した。大してT君は…
プリン!?
当時、罰ゲームでなければ誰も使っていなかったキャラだった。
「場所は?」「ハイラルで」俺のお気に入りのステージ。
— ゆうやん (@yuyan_mtg) 2018年6月14日
そして始まる俺とT君の戦い。
結果はT君の圧勝。一度も機を減らすことすらできず、それどころか58%ぐらいしかダメージを蓄積できずに、俺は敗北した。
こんなにボコボコにされたのは初めてだった。
「もう1回!」
俺がそう言うと、T君は頷いた。
結局、3時間は遊んでいた。一度も勝てなかったどころか、一機すら削ることができなかった。
— ゆうやん (@yuyan_mtg) 2018年6月14日
19時前になり、お母さんがT君を食事に呼ぶ。
「食べてく?」と聞かれたが、断った。今日は家でちらし寿司だから、給食もほどほどにしろと親父に言われていたのだ。
だが、こう言った。
「また来ます」
翌日、ゆうやんさんはクラスの友だちにこの話をしまくったといい、その日から放課後にT君の家に通う日々がスタート。圧倒的な強さを見せるT君は「プリン師匠」と呼ばれるようになったのだとか。
次の日、学校でT君の家でスマブラをしたことをクラスで話しまくった。「3時間で一回も吹っ飛ばせなかった。しかも使用キャラはプリン」その言葉にクラスの友達は興味津々だった。
— ゆうやん (@yuyan_mtg) 2018年6月14日
早速その日の放課後、6人でT君の家に行った。
お母さんは少し驚いていたが、6人を迎え入れてくれた。
俺以外の一人ずつがT君に挑戦する。まずは藤原君。使用キャラはネス。結果はもちろん、T君の圧勝だった。
— ゆうやん (@yuyan_mtg) 2018年6月14日
「もう1回やらせて!」藤原君が言う。だが2回目の結果も、0-3。
ここで全員に火がついた。「俺家からコントローラー持ってくる」吉田君がそう言って、家から出た。
戦いを見ているのが、みんな我慢できなかったのだ。早くT君と遊びたかったのだ。
— ゆうやん (@yuyan_mtg) 2018年6月14日
間も無くして、吉田君がコントローラーを2つ持ってきて、4人対戦ができる状態になった。その間、菅原君があっという間に2回負けていた。
吉田君が「チーム戦をやろう!」と言って、T君俺vs吉田君近藤君の戦いに。
チーム戦でも、T君は凄まじい強さだった。俺なんていてもいなくても同じ。二人ともT君を倒すのに夢中で、実際俺は相手にされていなかった。結局二人を同時に相手しても、T君は1ストックも減らすことはなかった。
— ゆうやん (@yuyan_mtg) 2018年6月14日
そこからは、1:2の戦いが続く。
だが3時間で、誰もT君の機を減らすことはできなかった。
この日も、ゲームの終わりはT君のお母さんの一言。「そろそろご飯よ。みんなも食べてく?」だった。全員が頷いた。
— ゆうやん (@yuyan_mtg) 2018年6月14日
良いカレーの匂いに誘われたからではない。みんな、T君に興味があったのだ。
「こんなたくさんでご飯食べないから、狭くてごめんね」と言われたが、気にならなかった。それよりも。
「なんでそんな上手いの!?」「あれどうやってやんの?吹っ飛ばすやつ」
— ゆうやん (@yuyan_mtg) 2018年6月14日
みんなそれぞれ、聞きたいことが山ほどあったのだ。
結局、ご飯の後にも1時間ほどゲームをやって、家に着いたのは21時だった。親父にしこたま怒られた。
翌日から、T君はプリン師匠と呼ばれるようになった。
毎日のようにT君の家に通い、スマブラで遊ぶ日々。T君にも少しずつ変化があったのか、そんな日々も終わりを告げる日が……。
それから、放課後はプリン師匠の家に行くのが決まりになっていた。毎日遊びに行ってもT君のお母さんは笑顔で迎え入れてくれた。
— ゆうやん (@yuyan_mtg) 2018年6月14日
T君に聞いた方法で、攻撃を避ける。攻撃するタイミングをしっかりと見極め、無駄な隙を与えない。ジャンプの大きさも考える。
そして数日後、ようやくその時は訪れた。
ついに、T君から一機奪うことに成功したのだ。誰が奪ったかは正直覚えていない。その瞬間、俺はゲーム画面よりも、脳裏に焼き付いた映像があったからだ。
— ゆうやん (@yuyan_mtg) 2018年6月14日
T君が、その時初めて悔しそうな表情をした。それが嬉しかったのだ。
結局、T君の家には毎日通っていた。ある日が来るまで。
その日の朝、いつものように俺は「プリン師匠の家、今日誰が行く?」なんて話をしていた。
— ゆうやん (@yuyan_mtg) 2018年6月14日
朝礼の時に、先生が言った。
「今日から、T君が登校を再開します」
そう言うと、T君が扉を開け、教室に入ってきた。
家で見るT君より少し小さく見えた。だが、それは紛れもなくT君、いやプリン師匠だった。
「あ!プリン師匠!」
— ゆうやん (@yuyan_mtg) 2018年6月14日
「師匠!」
俺たちがそう言うと、師匠は少し笑った。
T君が学校に来たことで、他のクラスのスマブラ勢の家にもT君を連れていけるようにもなった。
だが、結局T君よりスマブラが強い人は、一人も学年にいなかった。
T君は卒業する頃には、学年で有名人だった。
再び登校できるようになったT君は、卒業する頃には学年で有名人に。ゆうやんさんは「俺があの時T君と仲良くなれたのは間違いなくスマブラのおかげ」と当時を振り返り、「口下手でも無口でも関係ない。『ゲームが強い』という事実は、すべてを吹き飛ばせる」「ゲームには、無限の魅力がある。俺はT君との出会いでそれを知った」と語っています。
俺があの時T君と仲良くなれたのは間違いなくスマブラのおかげだ。
— ゆうやん (@yuyan_mtg) 2018年6月14日
口下手でも無口でも関係ない。「ゲームが強い」という事実は、すべてを吹き飛ばせる。
ゲームが勉強に役立つか、オリンピック種目に値するかはわからない。
だがゲームには、無限の魅力がある。俺はT君との出会いでそれを知った。
この一連のツイートは広く拡散され、ネット上では「泣きそうだ」「むっちゃいい話」と感動する声が多数寄せられています。上記の一連のツイートは「プリン師匠とスマブラ」というモーメントにまとめられています。
Twitter モーメント - プリン師匠とスマブラ「ゲームって色んな意味で特殊だから、負の要素やニュースが散見するけど、素晴らしい話がもっとたくさんできてい、拡散されて欲しい」
この一連のツイートは「大乱闘スマッシュブラザーズ」の生みの親で、Nintendo Switch版でもディレクターを努めている桜井政博氏にも届き、桜井氏も思わず「プリン師匠……」とコメントしています。
ゆうやんさんは投稿後、ゲームについて「負の要素やニュースが散見するけど、素晴らしい話がもっとたくさん出てきて、拡散されて欲しい」とコメントしています。プリン師匠……。 https://t.co/vkVkvUDaY5
— 桜井 政博 (@Sora_Sakurai) 2018年6月14日
世間でよく言われているように、ゲームのせいで引きこもりになる可能性は確かにあるけど、T君がゲームのおかげで学校に来られたのもまた事実。ゲームって色んな意味で特殊だから、負の要素やニュースが散見するけど、素晴らしい話がもっとたくさん出てきて、拡散されて欲しいな、と思った。
— ゆうやん (@yuyan_mtg) 2018年6月14日